常家荘園

電視劇:龍票白銀谷喬家大院大槐樹 ほか
場  所:山西省晋中市楡次区東陽鎮車輞村
行き方:太原市内から901路のバスで楡次へ。(901路=太原火車站~楡次老城、3元、始点から終点まで1時間強)
      楡次から12路のバスで終点下車。(12路=楡次老城~常家荘園、3元、約40分)

 「中国儒商第一家」。そして「中国民間第一祠堂」「中国民居第一書院」「中国民居第一園林」と讃えられるのも納得の素晴らしさでした。明末清初の頃に最初の家屋が建てられ、その後約200年をかけて少しづつ拡張されたのだそうです。役総面積60万平方メートル以上、現在保存、開放されているのはそのうちの12万平方メートルほどです。内部には常家についてほか、山西の文化や芸術についての展示などもありました。そして、ここでは実に多くのドラマの撮影が行われています。

堡門。ほとんど城門レベルの威容です。バスが終点に近づくと、まっすぐの道の正面に見えてきます。

堡門のアップ。彫刻の素晴らしさに内部への期待も高まります。

堡門から入場してすぐ右手にある常氏宗祠。光緒5年(1879年)から3年かけて銀2万両以上を投じて建築されたそうです。全体が見事な彫刻と壁画に飾られています。「龍票」「白銀谷」「喬家大院」などの祠堂の場面はこの内部で撮影されました。

宗祠の正院の庭の中央にある献庁。「龍票」の前半の場面で印象に残りました。破産の危機に陥った際、夫人に率いられた祁家の人々が豆腐作りをしていたのはたぶんここです。

ドラマによく登場する祠堂の正庁。始祖・常仲林の像(最近作られたものに見えます)を中心に、常家代々の人々の位牌がずらりと並んでいます。常仲林は羊飼いで、明の弘治年間にこの地に居住しました。清代は18世紀になって常家は商売で成功し、この巨大なお屋敷を築きました。

軒にびっしりと描かれた絵。古代の有名な物語や吉祥のデザイン画など。ちなみに、この写真の中央の絵は「三国志」より「空城の計」の場面と思われます。

堡門からまっすぐ奥へ続く道。この通りの両側にお屋敷の門が並んでいます。写真の右側(北側)が現在開放されている部分。左側(南側)にはレストランや土産物屋が並んでいました。

貴和堂の門。普通は石段の上に門襤(敷居)があるものですが、この門は客人が馬車に乗ったまま入れるようになっています。

石芸軒書院の門。構えが最も立派なせいか、ドラマではこの門が屋敷の正門のように使われています。それにしてもこの門前の道路、牌坊まであるし、実際に来てみるまで町の中だと信じていましたよ。

石芸軒書院の庭。「龍票」「白銀谷」でそれぞれ印象的でした。ここは一族の子弟を教育する場だったそうです。常家は儒商といわれ、学問に力を入れていました。

石芸軒書院の庭の周囲の回廊の壁には、こんな石刻がびっしり。これもドラマで見た時はビックリしたわ~。写真は「常氏遺墨貼」。

反対側の壁。「龍票」で見た時は、本当にお屋敷の中だろうかと疑ったものでしたが。

さすが。常家は進士を出していました。

すべての建物が彫刻と絵画に飾られています。

同上。

同上。

一族の子弟の勉強部屋。だった気がします。地味のようでやっぱり彫刻が素敵。窓の彫刻の彩色はほとんど褪せてしまっていますが。

蔵書楼、だったでしょうか。建物がありすぎて、もうどれがどれだったやら。写真が斜めになっているのは気にしないで下さい。「白銀谷」では、この2階が康笏南の住む部屋でした。

貴和堂の内部。立派な家具や調度品も残っています。

常家とその商売についての展示もいろいろ。これは銀票(小切手か手形みたいなもの)です。龍票はありませんでした……。

室内展示の一つ。砂漠を越えるキャラバン、ドラマにも出きました。常家の商売は南は福建、北はモスクワにまで広がっていたそうです。

杏園と静園の境の壁というか門というか、とにかくこれも彫刻が見事。これにも「龍票」で目を奪われたものです。

屋敷の北に広がる静園。中央には昭余湖と観稼閣(高さ29メートル)。観稼閣に登ると、周囲の畑まで見渡せます。

「龍票」を見ている時、庭があんまり広いので、別の公園かどこかでロケしたんじゃないかと疑っていたのですが、本当にお屋敷にありました。

昭余湖につながる小石潭。

昭余湖のほとりの聴雨軒。屋敷側から湖側を見たところ。ここも「龍票」によく出てきました。関素梅が××したのは(ネタばれすぎるので伏字)、写真でいえばここから右手へ回ったあたり。

常家荘園でロケしたドラマのパネルがずらり。写真は「白銀谷」のもの。ちなみに、貼られていたパネルは「龍票」「白銀谷」「喬家大院」「狼毒花」「大槐樹」「白銀帝国」「李衛辞官」「幻影神針」「金鎖記」「亮剣」「関中女人」「楊三姐告状」。

「龍票」のパネルは3枚。でも主役の黄暁明が写っているのはこの1枚だけです。個人的に少々不満。ほとんどのパネルはすっかり色が褪せてしまっていました。

レストランはみな「常氏」の名を掲げていましたが、子孫なのかどうか、うっかり確認しませんでした。展示によると、現在でも常家は、学者やら経営者やら社会的地位の高いところで活躍している人が多いそうです。


 「龍票」を見て、「このすごいお屋敷は一体どこだ~!?」と驚愕。その後、「白銀谷」にも同じ場所が出てきたので、これは見に行くしかないと決心。このたび念願かなって訪問を果たしました。入場料は60元。ガイド料は50元くらいだったと思います(頼まなかったので覚えていません)。それにしても、ドラマの場面を特定するのは案外難しかった。直前にドラマをしっかり見直して行けばよかったのですが。(2007年8月)

上 へ   舞台一覧   トップページ