大槐樹尋根祭祖園

電視劇:大槐樹
場  所:山西省洪洞県
行き方:洪洞県内の1路のバス。「明代監獄」あたりからタクシーで5元。

 元から明にかけて戦乱のため各地で人口が激減したため、明朝は戦災を逃れて人口過密となった山西から各地へ住民を移住させました。移民のための役所がかつてこの地にあった広済寺に設けられ、そこには漢代に植えられたと伝えられる巨大な槐の木がありました。この「大槐樹」があった場所が、今でも移民の子孫にとって、祖先の地のシンボルであるのだそうです。今は公園として整備されています。

「大槐樹尋根祭祖園」入り口。最近、各地の移民の子孫がお金を出し合って公園をどーんと拡張し、祭祀のための広場等を設けたのだそうです。この地に思い入れがあるわけでも何でもない一介の観光客としては、この門を見ただけで、来たことを後悔しそうになりました。

門を入ってすぐの影壁。この後ろに献殿、祭祀広場、先祖殿と、主要な建物が南北に直線に並んでいます。

「明の太祖・朱元璋と大臣たちが移民の決定をしました」

「大槐樹のもと、人々が移民の手続きをしています」

「やがて年月が流れ、老人が移民の様子を孫たちに語りきかせています。こうして移民の記憶は、代々受け継がれていきました」

移民の様子を描いた絵。

ようやく見るべきものにたどり着きました。当時の大槐樹はとうに枯れてしまいましたが、その場所に「古代大槐樹処」の碑が建てられています。

株わけされた2代目、3代目の大槐樹。

唖然とさせられた大槐樹の実物大レプリカ。高さや幹の太さなど文献に従って再現したそうです。もしやドラマの撮影に使ったのかもと思いましたが、そういうわけでもないようです。

こちらの写真のほうが、大きさがよく分かると思います。

幹には移民の告示が貼ってありました。

祭祀広場。中央の建物は「先祖殿」、向かって左は「祭祖殿」、右は「望郷閣」。先祖殿では、移民の子孫らしい人々が次々と真剣に拝礼していました。中国人がルーツを大事にするのは知識としては知っていましたが、目の当たりにしてちょっと圧倒されました。毎年、清明節などには祭祀が行われ、この巨大な広場が人で埋まるようです。

2007年夏には、公園の半分ほどはまだ工事中でした。入場券の裏にはしっかり全体の案内図がありましたが。この案内図によると、奥の岩山のようなものは「洪崖古洞」。一体何が出来るんでしょうか。他に「民族村」なども建設予定のようでした。大槐樹の奥には、広済寺も再建されるらしく……。今ではもう、すべて完成していることと思います。


 だだっ広くて、最初はどういうルートで回ればよいのか戸惑いました。数年前までは、現在の公園のほんの一角、古代大槐樹のあるあたりだけが公園だったようです。子孫が公園を拡張して立派に整備するのも祭祀の場所を設けるのも理解できますが、何かが違うような気がする部分も。入場料は50元プラス保険1元! まだ工事中の場所も多かったのに、ぼったくりとしか思えません。(中国ではよくあることです。)しかも危険な場所でもないのに、なぜ保険が必要なのでしょうか。(2007年8月)

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