国家中影数字製作基地

電視劇:映画もドラマも山ほど。
場  所:北京市懐柔区楊宋鎮鳳翔科技開発区鳳和一園8号
行き方:北京の東直門のバスターミナルから886路(旧916東路)のバスで1時間強、「中影基地」下車。
     バス亭の目の前の門は関係者用の出入り口らしく、正門と切符売り場は北京からのバスの進行方向へ向かって左へ曲がったところにあります。
     バスは1時間に1本くらいなので、1本逃したり乗り過ごすとえらい目に遭います。(つまり、えらい目に遭いました。なぜかルートが表示と違っていたため、到着したのに気づかず、乗り過ごしました。)時刻表はありません。

 略称は中影基地。日本語では「国家映画デジタル製作基地」? 中国電影集団公司(中国電影公司、北京電影製片廠、中国児童電影製片廠、中国電影合製片公司など8社による)の撮影基地で、2008年に完成しました。すごい規模です。

正門。以下、写真はほんの一部です。広すぎ……。

正門を入ってすぐ、撮影に使われたヘリコプターやジープなども展示してありました。

敷地内はこんな感じでだだっ広く、たくさん建物が並んでいます。見学できるのはごく一部です。

見学エリアその一、6号撮影棚&7号撮影棚。廊下の壁には、北京電影製片廠が製作した懐かしの名作映画のスチールなどが飾られていました。6号撮影棚では主に、さまざまな映画やドラマのセットを展示してあります。

窑洞(ヤオトン)まで造ってあります。この中でも実際に撮影が行われたそうです。

張藝謀監督の映画「三槍拍案驚奇」(邦題:女と銃と荒野の麺屋)の麻子面館。映画を見ていたら楽しさ倍増だったのに!と口惜しく思いました。日本公開が遅すぎます。

上がり込んでの写真撮影もOKです。残念ながら2階には上がれませんでした。

人力車。

衣装は10元でレンタル。これを着てセットで記念撮影ができるようです。着てみたかったけれど、勇気がありませんでした。

ちょっと扉を開けて外へ。たぶん映画「建党偉業」で使われた船です。(映画はまだ見てません。)嘉興の南湖での中国共産党第一次全国代表大会の場面のようです。

60年代~70年代(?)の部屋の様子。

新版ドラマ「紅楼夢」で使われたセット。ドラマの出来は気に入らないけど、やっぱり嬉しいのでした。

映画「孔子」(邦題:孔子の教え)のセット。正直、映画の出来には感心しませんでしたが、チョウ・ユンファがここに座ったのかと思えば感慨もひとしお。

すぐお隣の部屋=7号撮影棚はまるまるジャングル。鳥の鳴き声なども流れています。動く大蛇もいました。見た目だけでなく、ちょっと蒸し暑くしているのに感心。

大砲が置いてありました。

敷地の奥にある外景地(オープンセット)へはるばる歩いていきます。(他の見学者は、ガイドつきでカートに乗っていたようです。)写真は移動の途中、遠くに見えた中影酒店、たぶん関係者が宿泊するホテルでしょう。手前はレストラン。スターの皆さんも撮影中の食事はここなのでしょうか。

見学エリアその二、外景地。近代の街並みの大部分は、陳凱歌監督の映画「梅蘭芳」(邦題:花の生涯~梅蘭芳~)のために造られたセットのようです。ほか「建国大業」「蘇乞児」、ドラマでは「狼煙北平」「松花江上」などがここで撮影されたとか。

この建物は劇場のようです。

劇場の看板。

お向かいの店。

なんとアヒルまで。

しばらく使っていないのか、荒れていました。あちこちにペンキ缶やゴミが転がっていたり。別にキレイにしなくてもいいけど、片付けくらいしておこうよ。一応お金を取って見せてるんだしさ。

小さいながらも川があって橋がかけられています。

近くで見ると安普請なのですが、こうやって見るとやっぱりリアルです。

ふいに住人が現れそうな気分にさせられます。

お屋敷街。造ってあるのは門と道路だけで、門の向こうは原っぱです。

この門は見たことあるようなないような?

と思ったら、すぐ目の前には「寧栄街」と。新版「紅楼夢」の撮影に使われた場所だと判明。「貴妃省親」の場面、ドラマでは周囲はばっちりCG処理されていましたが、こんなところで撮影していたんですね-。

田舎の村まで造ってありました。

ここにも窑洞が。まあ革命ものには必ず出てきますからね。

外景地から撮影棚エリアを遠くに望んだところ。広さがお分かりいただけるかと思います。以上、外景地では、真夏のお昼休み時だったせいか、私のほか人っ子一人いませんでした。

正門の近くまで戻って、見学エリアその三、服装道具展示室へ。建物内の部屋いくつかに、衣装や道具を展示しています。「好きに見て写真を撮っていいよ。ただし、触らないでね」というだけで勝手に見学させてくれました。もっとも、ものが多すぎて、とても全部を真剣に見る元気はありませんでした。

これは明らかに張藝謀監督の「満城尽帯黄金甲」(邦題:王妃の紋章)の衣装です。

この他にも北京五輪の開会式で使われた衣装もあったらしいのですが、気づきませんでした。

以下、いろいろな時代や場所の家具や道具などが無造作に展示してあります。撮影に必要になったら、ここから持ち出すのでしょうか。

家具だけでなく、生活の道具や磁器などの飾りものもいろいろあります。よく見ると、組み合わせはけっこういい加減のような。

こんな家具、うちにも欲しい。

素敵なタンスが並んでました。

近現代エリアへ。

「建国大業」あたりの映画で使われたっぽい。

榻とか天蓋付きのベッドとか、かなり欲しい。

ちょっと座ってみたかった。

シャンデリアなども天井に並んでいます。廊下にも書画が掛けてありました。以上、せっかくの展示品も、すっかり歩き疲れてしまったせいで、じっくり見ることができませんでした。写真もピンぼけ多数。なぜもっと頑張ってしっかり見ておかなかったのかと今さらながら後悔です。

 11:30から2時間はお昼休みで、見学エリアの職員も不在になります。入場料は80元。有料ガイドもあり。
 実は同じく懐柔にある「飛騰影視城」(現在の名称は、星美今晟影視城)に行くつもりで出かけたのですが、バスを降りて目の前にあったこちらを見学することに。楽しくて、すっかりはまってしまいました。中国映画好きなら行って損はしないと思います。しかし、影視城がまさかすぐお隣だったとは……。リサーチ不足を大反省。(2011年8月)

上 へ   舞台一覧   トップページ