栄国府

電視劇:紅楼夢、雪山飛狐、包青天、東方商人、康煕微服私訪記、鄭板橋外伝、夢断紫禁城 など
場  所:河北省正定県
行き方:石家荘市からバスで正定県へ。正定バスターミナルから1路のバスに乗る。

 正定県行きのバスは、石家荘駅と駅前長距離バスターミナルの途中にあるバス停から出ています。正定行き(201路)バスに乗り、終点下車。所要時間は40~50分。バスは正定バスターミナルに到着するので、そこから1路のバスに乗り、「乒乓球基地」で下車してちょっと戻ります。バスからすぐそこに見えます。

「紅楼夢」の撮影のため、1984年に建てられました。その名の通り、栄国府を再現しています。総面積22,000平方メートル、築面積4,700平方メートル。170以上のテレビドラマがここで撮影されたそうです。この写真だけ見ると立派ですが、かなりさびれて観光客も少ないようです。

栄国府の正門。ドラマで何度も目にした光景に、たいへん感激しました。……しかし内部は、規模が大きくカメラに収めにくいことと、お客が他にいないのでかえって服務員の目が気になり、撮りたい写真もあまり撮れませんでした。

栄国府の正房「栄禧堂」。室内が一番美しく保存されていたと思います。「紅楼夢」第6集の寧国府の俯瞰ショットは、実はこの栄禧堂→内儀門→向南大庁→外儀門→正門と撮影しているのではないかと思いますが、違うでしょうか?

賈璉と王煕鳳の部屋。人形はもちろん煕鳳が賈璉の浮気現場を押さえて大騒ぎになる場面です。この出来の悪い人形があちこちの部屋にあって、かなり興ざめでした。それでも、このようにまさにこの部屋での場面ならまだましなのですが、部屋の家具をとっぱらって室外での場面を作ってある所もあり、さらに興ざめでした。

「垂花門」。この奥に賈母の住む部屋があります。門の向こうにまた門、そのまた向こうに……と奥行きがよくわかります。

「更道」。賈母の住居と賈政の住居を隔てる道です。立派な建物や部屋もいいけれど、こんなところに妙にリアリティーを感じてちょっと感激。

「寧栄街」。牌坊もドラマで見た通り。通りは清代の「乾隆南巡図」を参考にして造られたそうです。

寧栄街は200メートルの長さです。さまざまな商売の51店舗が並んでいるそうです。もっともふだんはほとんどが閉まっています。

 正定は小さいけれど歴史があり、古いものがいろいろ残っている街でした。「三国志」の趙雲の故郷でもあり、街の入り口の牌坊には「趙雲故里」の文字が。そして栄国府のすぐご近所に趙雲廟があります。どちらも中央電視台ドラマの主題曲をガンガン鳴らしているのがなんだか可笑しかったです。なお、もしも正定に行くことがあれば、大興寺は必ず見学してください。私は壁画と塑像のあまりの素晴らしさに仰天しました。こんな全然有名でない田舎町にこんなものすごいものがあるなんて、やっぱり中国はあなどれません。(2004年9月)

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