華山

電視劇：笑傲江湖、射鵰英雄伝、神鵰侠侶　など
場　所：陝西省
行き方：観光シーズンには西安からの一日ツアーが毎日出ているようです。

私は行きだけツアーに便乗して、山で一泊、徒歩で下山しました。ツアーは昼食をとって山に入り、ロープウェーを利用、３～４時間ほどフリータイムというスケジュールですので、山全体を見たいという向きには時間が足りません。ふもとから徒歩で登るツワモノもいますが、気軽に登るにはきびしい山だと思います。

	華山は東岳・泰山、南岳・衡山、北岳・恒山、中岳・嵩山と並ぶ「五岳」のうちの西岳。観光客だらけではありますが、それでも「巍々」という形容の似合う光景です。観光バスが山に入ったとたん、「ものすごい所に来てしまった」とビビりました。ロープウェーを降りると、まずこんな梯子状態の石段を登らねば先に進めません。「私は無事に帰れるのか」と心配になりました。さらに進んだところで、血まみれで担架で運ばれる人を見てしまいました……。
	「蒼龍嶺」。龍が寝ているように見えるところからついた名だというのも納得の光景でした。この写真ではよく見えませんが、細くて急な尾根伝いに石段が続き、観光客が数珠繋ぎに並んで歩いています。
	「東峰」またの名を「朝陽峰」。華山は東峰、西峰、南峰、北峰、中峰の五つの峰がぐるりと並んでいます。「東邪、西毒、南帝、北丐、中神通」をいやでも思い出します。「論剣」の舞台が華山なのは伊達ではなかったのだと気づきました。
	緑もありますが、全体的に白い岩がむき出しの荒々しい印象の山です。山中には道観や、今ではホテルもあるのですが、昔はふもとまで下りて水を汲んできたのでしょうか。はっきり言って人が住むところではありません。華山派の人たちはいったいどこに住んでいたのでしょう？　こんな山にこもって修業なんかしていたらおかしくなるのも当然だと思いました。
	「下棋亭」または「賭棋亭」。宋の太祖・趙匡胤と道士・陳摶（陳希夷）が華山を賭けて碁を打ったという場所。「射鵰英雄伝」で邱処機が郭靖に話してきかせています。ここへはロッククライミングをしないと行けないので、遠くから眺めるだけにしました。
	「長空桟道」の手前。少し進んだところで怖くて引き返しましたが、後でガイドを見ると、桟道の先には陳希夷が静養したという洞窟があって、「全真岩」という文字が彫ってあるとか。……行けばよかった！
	汚い写真ですみません。南峰の手前です。「華山論剣」の文字が読めますか？　周りには剣や刀がいくつも飾って（？）あります。東峰、北峰にも「華山論剣」の看板がありました。みんな金庸が好きなんですね～。
	華山で一番高い「南峰」のてっぺん。海抜2160メートル。狭いところに人がたくさんいるので、こんな写真しか撮れませんでした。それにしても、「華山論剣」が行われる「華山絶頂」ってどこなんでしょう？　こんな狭くて急なところでアクションするのは絶対に無理！　うっかり落ちたら、たとえ東邪西毒でも助からないと思います。だから峰と峰の間のどこかなんだろうな……なんてことを真剣に考えていた私はバカです。

　ろくな写真がなくて申し訳ありません。持参のカメラが壊れ、中国製の安いカメラを買ってみたところ、ごらんの通りの質の悪さでした。しかも帰りのバスでカメラをすられ、華山を撮った最後のフィルムを失いました。疲れてバスの中で寝こける登山帰りのバカな観光客（私のことだ）をスリが狙っています。自力で行くという酔狂な方が他にいましたら、お気をつけください。（2004年９月）

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