雪山飛狐

全40集/2006年

 香港のヒット・メーカー王晶(バリー・ウォン)監督作品。「飛狐外伝」と「雪山飛狐」を一つの物語にまとめ、かつオリジナル展開を付け加えている。胡一刀(黄秋生/アンソニー・ウォン)と苗人鳳(方中信/アレックス・フォン)の一騎打ちがメインの冒頭部分はまずまずで、先の展開にも期待したのだが、胡斐、袁紫衣、程霊素の三角関係に突入したあたりから、たいへん退屈になる。
 そして女性陣全滅(胡夫人を除く)。中でも袁紫衣を演じる朱茵(アテナ・チュウ)、こんなこと言いたくないが、……いや、書かないでおこう……、とにかく彼女が登場するたびに私のテンションは下がるのだった。程霊素は、演じているのが鍾欣桐(ジリアン・チョン)なので原作と違って美人だが、こんなにうっとうしいキャラだっただろうか? 苗若蘭(安以軒/アディ・アン)は無理やり出番を増やして物語にからめようとすれば、こんなものか。とにかくひどいのが彼女らの衣装とヘアスタイルで、目もあてられない。特に袁紫衣は最悪。現代ドラマならともかく、私の目にはみっともないボサボサ頭にしか見えなかった。服もみっともない。だから歩く姿すらみっともない。いや、男もだ。苗人鳳よ、奥さんに逃げられたのは、そのきちゃならしい髪が嫌われたんじゃないの?なんてくだらないことを考えてしまった。時代劇に古典美を求めたい私には、辛いドラマだった。
 聶遠の胡斐も、ごめん、好きじゃないわ……。はっきり言って、子役のほうがよかった。可愛くてアクションもうまくて、大人になってからよりさっぱりして男らしかった気がする。恋愛がらみの話がないせいかな?
 蛇足ながら、もう一つ。平阿四が胡一刀に恩を感じる理由として、ドラマでは胡一刀に助けられるエピソードが作られていたが、原作通りではダメなのだろうか? 大人たちに蔑まれていた宿の下働きの少年が、胡一刀に初めて対等の人間として扱われて感動する、これが理由として不足だというのだろうか。小さなことかもしれないが、もやもやが消えない。(2008年8月)

キャスト
胡 斐:聶 遠/胡斐(童年):葉子龍/袁紫衣:朱茵(アテナ・チュウ)/黄秋生(アンソニー・ウォン):胡一刀/方中信(アレックス・フォン):苗人鳳/程霊素:鍾欣桐(ジリアン・チョン)/田帰農:譚耀文/苗若蘭:安以軒(アディ・アン)/苗若蘭(4歳):林静/苗若蘭(11歳):張懿静/胡 妻:張 彤/平阿四:高 虎/文泰莱:桑偉淋/薛 萼:陳佳佳/馬春花:任袁媛/陳家洛、福康安:呉慶哲/南 蘭:呂 一/趙半山:董志華/徐天宏:金 鵬/無塵道長:王志強/黒無常:孟繁龍/白無常:王運生/洛 冰:佟姗姗/鳳天南:李国華 ほか

スタッフ
出品人:馬中駿、王同元
総監製:陳蔚東、鉄佛、袁暁波
総策劃:高克明、陳立波、屠栄根
制片人:虎子
導  演:鐘少雄、譚友業、江道海
監  製:金玉泉、潘姗、馮微微
策  劃:王俊、麻宝洲、周之光、格菲、涂峻
総導演・編審:王晶

主題歌
片頭歌:「愛的辛苦,却也幸福」  作曲:阮昆申/作詞:廖勇/演唱:丁薇
片尾歌:「伝説」  作曲:阮昆申/作詞:梁芒/演唱:聶遠

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