像霧像雨又像風

全30集/2001年

 かつて、中国人に「中国でかっこいい俳優って誰?」と尋ねると、返ってくる答えは「濮存昕」だった。「美的センスが違いすぎる。中国のスターが日本でメジャーになる日は来ないかも」と絶望的な気分になったものだ。それがある時、真っ先に「陸毅」という名前が返ってきたのだ。それが私が陸毅の名を知った最初。どんな人か見てみたいと思いつつ、ようやく見たのがこのドラマだった。見て驚いた。時代は変わった! 中国でもこういう優男タイプがスターになる時代になったのか!  もっとも私は、これも初めて見た陳坤のほうが断然好みだったのだが。(演技も陳坤のほうがうまいと思う。陸毅の優柔不断なお坊ちゃまぶりにいらいらさせられたせいで判断がにぶったかもしれないけれど。)
 この陸毅と陳坤のイケメン対決に加え、ヒロイン勢にも美女がずらりと揃う。中でも周迅が、きれいだわかわいらしいわうまいわで、もう目が離せない。周迅演じるヒロインのお父さん(寇世勲)も好き。
 物語の舞台は、30年代の上海。セットや背景、衣装も美しく洗練された雰囲気の中で展開する、幾重にも交錯する片思いと、ドロドロ直前の愛憎ドラマ。幸せをつかみかけたに見えても、みな結局は不幸になっていく。最終回には唖然。
 中国でもこんなドラマが作られて受ける時代になったのかと、中国の変化を感じて実に感無量だった。そういえば、先の展開が気になる中国ドラマを見たのはこれが初めてだった気がする。これなら日本でも普通に放送できるのでは、と思ったドラマも初めてだ。
 孫楠の歌う主題歌もせつなく、耳に残る。(2006年6月)

あらすじ
 広州から上海への船の中で、李英奇、陳子坤、安琪が出会い親しくなる。やがて李英奇は婚約者・范麗君の友人で陳子坤の恋人である方紫儀を愛するようになる。陳子坤は時計修理に行った屋敷の娘・杜心雨に愛される。さらに安琪は李英奇に片思いし、阿莱は安琪に片思い……。

登場人物&キャスト
李英奇:陸  毅  金持ちのお坊ちゃまで、英国帰りの医者。
陳子坤:陳  坤  時計屋の徒弟。(この役名、陳坤を売り出す意図があったのか?)
杜心雨:周  迅  杜雲鶴の愛娘。母の死により心に傷を負っている。
方紫儀:羅海瓊  時計屋の主人の娘。陳子坤と恋人同士。
范麗君:許還幻  方紫儀の友人。李英奇の婚約者。
安  琪:李暁冉  呉楚玉の前夫との間の娘。
杜雲鶴:寇世勲  上海黒社会のボス。娘を異常に可愛がっている。
呉楚玉:劉瑞琪  杜雲鶴の妻。安琪の実母、杜心雨にとっては継母。
阿  莱:孫紅雷  杜雲鶴の養子。といっても部下の延長にすぎない。

スタッフ
出品人:徐文栄、韓三平、丁芯、周令剛
監 製:李遠、陳坤厚
製片人:趙宝剛
製作人:高成生、宋振山
編 劇:趙宝剛、李暁明、張永琛
美術・服装設計:劉心剛
撮 像:王迎、王雷
作 曲:三宝
導 演:汪俊、趙宝剛

主題歌
片頭歌「是否愛過我」  作詞:孫楠、那英/作曲:三宝/演唱:孫楠
片尾歌「今生愛走遠」  作詞:梁范/作曲:三宝/演唱:孫楠、艾雨

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