射鵰英雄伝

全42集/2001年

 「笑傲江湖」に続く、中央電視台の金庸大作第2弾。前作に比べてぐっと原作に近づき、格段にレベルアップしている。原作をきっちり覚えているにもかかわらず、続きが気になって一気に見てしまった。
 個人的には、酔仙楼での邱処機VS江南七怪の鼎の飲酒バトルがきっちり映像化されていたのがうれしい。絶対にカットされると思っていた。モンゴルの草原をはじめとする屋外ロケは美しく迫力がある。ただ、海のシーンのかなりの部分を太湖(?)でロケしているのは、いくらなんでも。サマルカンドのセットやサメの張りぼてやCGのチャチさに腰がくだけさせられるのは楽しい。
 脚本については、もっとたっぷり見せてもらいたいと思う場面がかなりあっさりしすぎていたように思う。郭靖と黄蓉のラブシーン(といっても何かするわけじゃないけど)、丐幇大会、華山論剣のシーンなど。最終回にメイキングを入れる時間があったら、その分内容を増やしてほしい。もちろんメイキング自体は楽しいのだけれど。……と、つい文句を書いてしまったが、ドラマ全体は素晴らしい出来で、だからこそつい無いものねだりをしてしまいたくなる。
 人気俳優を動員し、そのうえ役のイメージがほぼ合っているのはずごい。郭靖役の李亜鵬は、顔も頭も悪いボーッとした感じがすごく似合っている。令狐冲役よりずっといい。黄蓉役は、ドラマ化を知った時から周迅がいいなと思っていたら、本当にキャスティングされたのでビックリ。本物の江南の美女だし、小悪魔チックなところがぴったりだ。楊康の周杰は、王族育ちらしい気品が感じられるとなおよかった。できれば李亜鵬とぐっと差がつく美形だったらもっとよかったんだが。穆念慈は楊康とからむシーンが原作に比べやけに増えていたような。蒋勤勤のような美人なら出番を増やしたくなるのもわかる。黄薬師はもっとキレててもよかったのではないかと思う。ちょっと物足りなかった。
 一番感心したのは、梅超風を楊麗萍が演じたこと。すごいアイデアだと思う。これまで小汚いババアのイメージだった梅超風にこのキャスティング! ドラマの成功の一因であることは間違いない。(2006年3月)

キャスト
郭 靖:李亜鵬/黄 蓉:周 迅/楊 康:周 杰/穆念慈:蒋勤勤/邱処機:周浩東/黄薬師:曹培昌/ 欧陽鋒:尤 勇/洪七公:孫海英/周伯通:趙 亮/梅超風:楊麗萍/完顔洪烈:鮑大志/柯鎮悪:劉立偉/朱 聡:于又川/韓宝駒:巴特爾/南希仁:楊光華/張阿生:謝 寧/全金発:王 偉/韓小瑩:趙 楓/欧陽克:修 慶/鉄木真(成吉思汗):巴 森/哲 別:巴 音/包惜弱:何 晴/李 萍:呂麗萍/楊鉄心:丁海峰/瑛 姑:梁 麗/南帝(一灯大師):王衛国/王重陽:張紀中 ほか

スタッフ
出品人:遅晨曦、馬中駿、蒲術
総監製:潘志忠、鉄佛
総策劃:袁暁波、王鵬挙
監 製:陳京生、江灘
技術監製:呉全森
策 劃:王丹弟、陳樺、張馨月、秦倩栄
総製作人:張紀中
編 劇:張挺、龔応恬、史航、蘭小龍
作 曲:趙麟
総美術:銭運選
動作導演・馬玉成(香港)、趙箭
導 演:鞠覚亮(香港)、玉瑞、于敏

主題歌
片頭歌「天地都在我心中」  作詞:易茗/演唱:田野
片尾歌「真情真美」  作詞:易茗/演唱:孫楠、許茹芸(ヴァレン・シュー)

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