武則天期の名宰相・狄仁傑を主人公にした推理(およびアクション)もの。
冒頭、まずは職を辞して太原で悠々自適の生活をしている狄仁傑の名探偵ぶりと人情味あふれる一面が披露される。そこへ武則天が行幸したとたん、道中次々と暗殺者に狙われる。無事に狄宅に落ち着いたにもかかわらず、敵は思わぬところに手先を潜ませていた。狄仁傑は都に戻る武則天を守りつつ、黒幕を推理していくのだった。武則天の死を望むと思われる人物が大勢いて、最後の最後までみながあやしく思え、ぎりぎりまで黒幕が分からない。脚本がよく出来ているせいか、私がにぶいせいか、設定にムリがあるからかは、よく分からないが。年数や年齢を数えてみるとつじつまが合わないが、気にしてはいけない。
狄仁傑を演じる寇世勲がいい味を出している。そして何より王姫が演じる武則天が美しく、それだけでかなり満足。
シリーズものの第1作らしく、本作には「京都疑雲」というサブタイトルがあるようだ。この後「風摧辺関」「古墓驚雷」「月沈江南」と続編が作られた。本作のラストで武則天が退位したので、続編の物語は過去にさかのぼっていると思われる。この他にも「神探狄仁傑」なんてドラマもあり、もともと公案小説の主人公である狄仁傑は(ファン・ヒューリックの『ディー判事』シリーズは、中国で読まれているのだろうか?)、今後も古装推理ドラマの立役者の一人であり続けるかもしれない。(2007年2月)
あらすじ
武則天が山西の故郷に隠棲中の狄仁傑宅へ行幸する道中、たびたび刺客に襲われる。狄宅に滞在中もそれは続くが、敵はなんと狄仁傑の腹心まで利用していた。武則天に中央復帰を説得されともに帰京する道中、狄仁傑は暗殺の黒幕を推理していく。容疑者が次から次へと浮かんでは消えるうち、ついに武則天が敵の手に落ちてしまう。犯人は王皇后と蕭淑妃の遺族だったが。
登場人物&キャスト
狄仁傑:寇世勲 宰相。現在は職を退いている。
武則天:王 姫 時の女帝。
上官婉児:劉玉婷 武則天の腹心。
太平公主:牛 莉 武則天の愛娘。
喬 泰:劉長純 狄仁傑の腹心その一。
陶 甘:黄海冰 狄仁傑の腹心その二。
東方雨:田海蓉 陶甘の妻。
馬 栄:董洋洋 狄仁傑の腹心その三。
緋紅・藍白:馮 静 双子の姉妹で、姉が馬栄の妻。(どちらがどちらか忘れた。)
武三思:黒 子 武則天の甥。
張諫之:陳長海 朝廷の重鎮。
張昌宗:王 斑/張易之:毛 毛 武則天の男妾。
李 哲:姫晨牧 皇太子。
韋 玉:林小鏡 皇太子妃。
[車古]轆:方 瓊 狄仁傑と同じ村に住む娘。
西門春子:顧婷瑄 東方雨の姉。
南関月:徐 箭 太平公主の愛人。
李多柞:趙 毅 将軍。
スタッフ
出品人:何忠雄
製片人:趙家琪
監 製:梁凱程
導 演:丁仰国、蒲騰晋
編 劇:亜洲国際編劇小組
主題歌
片頭歌「在劫難逃」 作詞:陳涛/作曲・主唱:宝鵬
片尾歌「一程山水一程歌」 作詞・作曲:梁文福/主唱:朱樺