大脚馬皇后

全30集/2002年

 明の初代皇帝・朱元璋(唐国強)の皇后・馬秀英(呂麗萍)が、夫を助けて大活躍。侍女だけを連れてお忍びで民間を視察し、民を苦しめる貪官汚吏を退治したり、皇帝の信頼厚い奸臣・胡惟庸(馬倫)と影で対決したり、果ては小越国へ帰順を勧めに出向いたりと、夫のため明王朝のために大いに働くのであった。
 タイトルにある「大脚」とは、馬皇后が纏足をしておらず大脚だったからだろうが、ドラマではみな同じく大脚だし、彼女の足が他人と比べて特に大きいようにも見えないので、いくら足を見せびらかしても説得力がない。
 それよりも何よりも、ドラマの出来に難あり。脚本はゆるゆる、演出もどうかと。コメディのつもりらしいシーンが面白くない。かと思うと、悪役が死ぬシーンを妙に感動的に演出したり、いったい何がしたいのか。そして、意外にも呂麗萍が良くない。コメディは苦手なのだろうか。周暁文監督、「乱世英雄呂不韋」の時も思ったが、映画とドラマで落差が激しすぎる。(2010年5月)

あらすじ
 1367年、朱元璋は応天(南京)で即位した。張士誠の娘・秋菊は、仇討ちのため朱元璋と劉伯温の命を狙う。また前朝の編修の娘・呉玉嬌は朱元璋の命令で父を殺され、胡惟庸、胡大鵬父子のもとに身を寄せることになるが、ひそかに復讐の機会を伺っている。胡惟庸父子は朱元璋に取り入りつつ、簒奪を企む。胡惟庸の野心を警戒する馬皇后と劉伯温は朱元璋に諫言するが、耳を貸してもらえない。

登場人物&キャスト
馬皇后:呂麗萍
 名は馬秀英。朱元璋の糟糠の妻。なぜか武術もできる。大脚のうえ、庶民的な言動で一見皇后らしくないが、内助どころか外助の功も発揮している。胡惟庸父子ほか彼女を嫌う者は「馬大脚」と呼ぶ。

朱元璋:唐国強
 明の初代皇帝。貧農の出で乞食坊主だった経歴を隠さないのは立派だが、おべんちゃら野郎の胡惟庸がお気に入りなのは痛い。馬皇后が時には煙たい。

胡惟庸:馬  倫
 おべんちゃらで朱元璋に取り入っている。見かけの割に大物悪人という設定だが、そうは思えない。こんな小者が帝位を狙っているなんて、ちゃんちゃらおかしい。

胡大鵬:高  虎
 胡惟庸の長男。父親と二人三脚、あの父にしてこの子あり。個人的にはどーでもいいキャラなのだが、高虎はやっぱり演技がうまいかも。

呉玉嬌:林  静
 前朝(元?)の編修の娘。父親が朱元璋の命で殺され、復讐を誓う。胡惟庸、胡大鵬に利用されると見せかけて、その実二人を手玉にとって利用する。後に貴妃となるが、もちろんよからぬことを目論んでいる。

劉伯温:張志宏
 朱元璋の信頼厚いが、李善長や胡惟庸らと対立。馬皇后を尊敬し、常に協力する。

高  啓:謝沅江
 有名な詩人。幼い頃に朱元璋夫婦と出会って才を認められ、学費も出してもらっていた。吏部侍郎に取り立てられる。劉伯温を師と仰ぐ。しかし、このドラマのせいで高啓が嫌いになった。どうしてくれる。

春  蘭:劉  懿
 馬皇后の侍女。仲間とともに皇后に娘のように可愛がられている。

夏  荷:范  艶
 小越国への旅の途中の馬皇后に救われ、侍女になる。

秋  菊:蒋  欣
 張士誠の娘。武術の達人で、仇討ちのため朱元璋の命を狙う。いったん捕らわれたもののうまく言い逃れ、馬皇后の侍女になる。もちろん、朱元璋も馬皇后もいい人なので、仇討ちなんか出来なくなる。

冬  梅:楊  蕊
 春蘭とともに最初から馬皇后に仕えている侍女。

李善長:張  彤
 常におどおどして、上目使いで人の顔色を伺っている。仮にも宰相だろ!!

宋敬妃:張  誼
 朱元璋の妃の一人。高啓と幼馴染で恋人同士。

于  一:馬浴柯
 常に皇帝の傍に侍る宦官。

孫正久:劉乃藝
 皇帝の護衛隊長。

施耐庵:周暁文
 「忠義水滸伝」の作者。かつて張士誠に仕えていたため、秋菊とも知り合い。朱元璋が何度も官職を授けようとするが、そのたびに逃げる。演じるのは監督自身。

スタッフ
出品人:張碩萍
総策劃:楊偉光、李準、李厚朴、李剛
策  劃:王権栄、馬栄、満秀彦、張潤元、牟継紅、如楓、周美珍
総監製:許波、李剛
監  製:孟慶春、趙穎
製片人:張碩萍
総顧問:伊廉釗、董育中、梁浩泉、張斌
顧  問:李淑琴、劉進
編  劇:胡正言
執行導演:王安慶
導  演:周暁文

主題歌
片頭歌「家有賢妻万事興」  作詞:胡正言/作曲:劉天華/演唱:郭蓉
片尾歌「愛有縁情無価」    作詞:胡正言/作曲:劉天華/演 唱:于文華

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