慈禧西行

全21集/1997年

 「宰相劉羅鍋」のスタッフが再結集した歴史風刺劇第2弾。1900(光緒26)年、義和団事件の際の八カ国連合軍の北京入城のため、西太后はじめ朝廷が西安へ避難した際のドタバタを描く。西太后役は、李保田か姜文が女装して演じるなんて案もあったらしいが、鄧婕に落ち着いた。六十代の西太后を演じる彼女は当時まだ三十代後半だと思う。
 ふだん偉そうにしている皇族や高官たちは、いざとなるとまったく役立たずで何一つ自分で出来ない。飢えた西太后は粗末な食事にがっつく。「偉い人」たちの愚かさ、無能ぶりをこれでもかと見せつけられる。ユーモラスな作りではあるのだが、コメディというには重くて笑えない。
 何回目かでようやく張国立が登場。この人が出てくるとドラマがピリッと締まる感じがして気持ちがよかった。(2006年3月)

あらすじ
 頤和園で西太后の誕生日を盛大に祝った直後、八カ国連合軍が北京に迫り、西太后と皇族たちはあわてて北京を逃げ出す。しかし、たちまち衣食住すべてに困ってしまう。何とか山西に入った一行を迎えたのは、懐来県の県令・呉永。たかが県令が皇帝や太后のお世話をすることになるとは。ありえない事態にとまどい、一行に振りまわされながらも、呉永は懸命に働く。しかし西太后には気に入られるものの、あまり報われない。やがて一行は西安に落ちつき、辛丑和約が結ばれると北京へ帰還する。その道中、西太后は呉永に、北京には来るなと言い渡す。お前のような役人に向かない人間は、中央の官職を得るよりものんびり地方官でもしているほうがよいだろう、と。

登場人物&キャスト
慈禧(西太后):鄧 婕
 権力者としてのメッキがはがれると、かなり普通のおばさん。鄧婕はもちろん悪かろうはずがないが、老け役なので魅力全開とはいかないのが残念。

呉 永:張国立
 懐来県の県令。西太后一行を迎え、役立たずでワガママな殿上人たちを相手に四苦八苦する。

光 緒:楚 童
 西太后に生気を吸い取られたよう。しょっちゅうボーっとしては臣下の面前で西太后に叱責され、皇帝としての面子も何もあったものじゃない。おかしくも哀れ。

娟 子:戴 嬈
 西太后のそば仕えの宮女。呉永に好意的な数少ない人物。

栄 子:劉 淼
 同上。劉淼はこの後、「康煕微服私訪記」でも鄧婕に仕えている。

劉 福:李嘉存
 呉家の料理人。ごく普通の料理が西太后には新鮮だったらしく気に入られる。

隆 裕:陳 瑋/瑾 妃:張海燕
 光緒帝の皇后と妃。光緒帝に顧みられず、つるんで文句たらたら。

珍 妃:陳穎映
 光緒帝の寵妃。北京脱出の直前、西太后の命令で殺される。

李蓮英:莫 歧/袁世凱:馬子俊/李鴻章:兪立文/載 勛:趙俊良/載[サンズイ+琦]:江庚辰/栄 禄:馬迎春/徐 桐:李 丁/剛 毅:侯連昇/趙舒翹/劉 斌/崔王貴:艾峻邁/大阿哥:梁 路/三格格:張 茜

スタッフ
出品人:劉迪一、馮国華
総監製:于知峰、王恵、杜斌
監 製:張永富、李金茹、尹春雨
総策劃:張国軍、石零
総発行人:程厚穏
製片人:張国軍
芸術顧問:馮驥才、阮若琳
編 劇:石零
撮 影:顔軍生
美 術:郝静遠
作 曲:王黎光
製片主任:遅乃亮、張瑞和
導 演:張子恩
作 詞:張和平

主題歌
片頭歌「?」  演唱:馮暁泉
片尾歌「冷暖人間」  演唱:陳明

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