曹操と蔡文姫の数十年にわたる愛憎、あるいは蔡文姫をめぐる曹操、董祀の三角関係。左賢王も入れると四角関係か。どっちにしろ無理がありすぎる。
実は24集までしか鑑賞していないが、続きはぜんぜん気にならない。衣装やセットなどは立派で、ベテラン俳優たちがいい演技をしていると思うが、演出が平板で盛り上がらないのだ。中でも主役であるはずの曹操と蔡文姫のシーンになると特につまらない。私はもうビデオを早送りしながら見てしまった。匈奴へ連行されてからは、周りの女たちに飢えても自尊心を捨てるなと説教したり、正妻に殺されかけても恨まず相手をゆるし、人々を心腹させるとか、とにかく立派な女性として描かれているのだが、とおりいっぺんで面白くない。
曹操が銅雀台を建てたのは蔡文姫のためだそうな。匈奴から帰った彼女をここに迎える時には、なんと派手に花火が。火薬の発明っていつですかー?
音楽も趙季平の割には印象に残らなかった。ただ毛阿敏ブシが炸裂するエンディングだけはけっこう好きだ。(2006年3月)
登場人物&キャスト
曹 操:濮存マ
人気俳優でたぶん悪役なんか演じたことのなさそうな濮存マが曹操を演じるというので話題になったようだ。人間ドラマの面を強調したかったのだろうが、前半、いくら怖い顔をしても武人姿が似合わない。蔡文姫を愛するが、彼女の気持ちより自分の気持ちを優先させる言動が嫌われた最大の理由か。とにかく蔡文姫のこととなると理性を欠いた言動で、いやそもそもトロそうに見えて、曹操のイメージを覆してくれるのは確か。
蔡文姫:劇 雪
曹操と董祀の気持ちを利用して都合よく使いまくっているように見えた。次第に曹操を愛するようになるが、呂伯奢一家の殺害を知り(なぜか呂伯奢一人は生き延びていた)、気持ちが冷めたらしい。左賢王に嫁いでからは匈奴に骨を埋めるつもりだったが、曹操に強引に連れ戻された。という場面は、クライマックスになるべきだと思うのだが、心理的葛藤があまり伝わってこない。ドラマの設定自体に無理があるせいだろうか、全体的になんだか共感できない。
董 祀:趙 君
いい人なんだろうがいかにもどんくさそう。蔡文姫のためなら何でもするが、あまり気持ちが伝わっていないようで気の毒。史実では、蔡文姫はこの人に嫁いだので、ドラマでもそうなったのだろう。
左賢王:常 戎
ごめん、あんまり印象に残らなかったよ。
董 卓:呂暁禾
ちょっと地味な気もするが、ただの暴君ではない人間味も感じさせるキャラで、意外によかった。
王 允:鄭坤范
いかにもタヌキなおやじ。
貂 蝉:寧 静
いくら美しくても年齢的に無理があるかな。想像はしていたがゲスト出演的扱いで出番はほんの数回。
呂 布:堂 昊
私はどっちかというと呂布は嫌いだが、頭が悪そうなのはまだしも、全然強くなさそうな呂布というのは受け入れられない。何しろ鎧が似合っていない。
周 媽:趙鳳霞
蔡家の女中? 蔡文姫を娘のように可愛がりずっとついてきて、子供の面倒を見るために匈奴に残った。
閼 氏:敖登高娃
左賢王の正妻。蔡文姫に嫉妬し殺そうとする。そのため処刑されかかるが蔡文姫のとりなしで赦され感激してからは、すっかり仲良しに。
献 帝:王徳龍(子供時代)、鐘 成(成人)
子供の頃、董卓の前でいつもビクビクおどおどしている様子が、かわいそうだけどかわいい。本当に演技なのか、実際に怖がらせていたんじゃないのか、と思うくらい中国の子役はうまい。
董貴人:李欣伶(子供時代)、崔心心(成人)
お嬢さん育ちなのを割り引いても、状況を全然把握していない頭の悪い女。
スタッフ
出品人:張海潮、肖白
総監製:李暁明
総策劃:魏平
総製片人:張華、肖白
監 製:郭安民、陳渓東、白剣斌
策 劃:陳志偉、韓剛、賈暁晨、汪海林、周郁
編 劇:武斐(原創稿)、鐘晶晶(拍撮稿)
撮 像:張国慶
美 術:斉明
作 曲:趙季平
責任編輯:李小浜、王単戈
製片主任:羅亮
製片人:賈暁晨
導 演:韓剛
主題歌
片頭歌「英雄結」 作詞:宋小明/作曲:趙季平/演唱:楊洪基
片尾歌「対酒当歌」 作詞:宋小明/作曲:趙季平/演唱:毛阿敏