張紀中版・金庸ドラマ第５弾。これまでと比べ、おとなしめで小粒な感じがする。文章がまとまらないので、思いついたことをいくつか箇条書きにしてみた。
・ 少年時代をすっ飛ばしたのは悪くはないが、こういうドラマでは子役も楽しみの一つなのだから、少々残念だ。
・ 袁承志はキャラが変わっているような。原作通りにしろというつもりはないが、最初からずいぶん江湖ずれしてるのは、ちょっと違うのではないか。演じる竇智孔は表情が乏しくて、感情や内面の葛藤が伝わってこないのがもどかしい。それをかっこよさで補ってはいるが。
・ 青青（黄聖依）は性格が原作に比べ大人しく、やはり何か違うような気がして仕方がない。
・ 何鉄手を演じる蕭淑慎。ただのお色気ねーちゃんかと思っていたが、見直した。
・ 玉真子役の劉乃藝。「神鵰侠侶」（趙志敬）の時、最初は嫌いだったのに、だんだんあのダメっぷりがツボにはまってきたのだが、今回は最初から飛ばしている。ボスキャラに見えないチープさがステキ。次はどんな脇役で小悪党ぶりを見せてくれるのか楽しみになってきた。この人、「鹿鼎記」には出ていないのか。
・ 金蛇郎君の焦恩俊はまあ予想通り。私はこの人が苦手なので、いよいよ温儀が過去を物語り始めるところで、一瞬鑑賞が止まりそうになった。相変わらず化粧が濃いし、年くっても若い頃と演技が変わってない。
・ 仲間が袁承志と青青の仲を見守っているようなゆる～い雰囲気が意外に心地よかった。
・ アクション設計は、これまでよりずっと気を遣っているように見える。相変わらず「マトリックス」風の場面が多いが、さすがにもう何を言う気力もない。
・ ラブシーンになると突然現れる造花のお花畑には、「神鵰」に引き続きゲンナリ。見てらんない。お願い、もうやめて。
・ カメラワークに時々難を感じる。
・ このドラマに限らないが、みーんなザンバラ髪でうっとうしい。江湖の人々ならまだ許すが、官服に長髪は似合わない。
・ これもこのドラマに限らないが、いくらなんでも地理に無頓着すぎるのでは。北京郊外になぜガジュマル林が？ 17世紀の北京は亜熱帯気候だったのかああ！！ あの砂漠は何～どこ～？
またもつまらないことをあげつらってしまった。充分面白いとは思うのだが、ワクワク感がいまひとつ感じられなかったのはなぜだろう。せっかくのいい台詞も心に響いてこず、面白くなっていいはずの場面もなぜかいまいち盛り上がらない。出来は悪くないはずなのに何がいけないのか。何が足りないのだ。（あえて挙げれば、熱さ、濃さ、ハチャメチャさ、といったものではないかと今のところ感じている。）とにかく全体的に薄味なのだ。期待が大きすぎたのだろうか。（2007年３月）
キャスト
袁承志：竇智孔／青 青：黄聖依／阿 九：孫菲菲／何鉄手：蕭淑慎／安小慧：馬 蘇／何紅薬：郭 金／崇 禎：高 虎／皇太極：李成儒／安剣清：趙 毅／玉真子：劉乃藝／金蛇郎君：焦恩俊／温 儀：何 晴／李 岩：程皓楓／程青竹：楊念生／沙天広：劉丕中／洪勝海：周暁浜／胡桂南：李 明／穆仁清：于承恵／木桑道人：紀麒麟／温方達：午 馬／温方義：侯躍秋／温方山：郭宏杰／温方施：白俊傑／温方悟：張衡平／焦公礼：李中華／焦宛児：呉 婷／闖 王：王衛国／多爾袞：巴 音／斉雲敖：馬傑林／安大娘：王璐瑶／崔希敏：田 重／帰辛樹：王 崗／帰二娘：何思融／梅剣和：張亜坤／孫仲君：韓 暁／朱安国：郭晋新／曹化淳：胡慶士／恵 王：呂世剛／鉄羅漢：馬子俊／黄 真：陳 周／羅立如：喬 宇／孟伯飛：張紀中／閔子華：李冬果 ほか
スタッフ
出品人：周莉、蒲樹林
総制片人：張紀中
総監製：暁春、肖泉、劉瑞旗、范興起
監 製：張新民、石衛平、章安強、沈培峰、喬榕
編 劇：郎雪楓、李斌華、朱可欣
総美術：銭運選、高国良
撮 影：葉志偉、邵警輝、佐治
制片主任：宋亜平
導 演：黄祖権、趙箭、李翰韜
動作導演：趙箭
主題歌
片頭歌：「好男児」 作詞・作曲：王益／演唱：韓磊
片尾歌：「和你在一起」 作詞：于小小／作曲：陳彤／演唱：孫楠
挿曲：「是非」 演唱：竇智孔／填詞：竇智孔／作曲：周伝雄／製作：周伝雄